プレスリリースを更新しました
2025年10月23日付けのプレスリリースを公開しました。
プレスリリース概要
ハイドレートの水分子カゴ状構造、カゴの分子が同じでも複数の形をとることを発見
環境にやさしいエネルギー?環境材料設計に向けた水分子の結晶構造制御に新しい視点
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 エネルギープロセス研究部門 神裕介 研究グループ長、竹谷敏 上級主任研究員、長尾二郎 副研究部門長、物質計測標準研究部門 藤久裕司 研究グループ付は、北見工業大学 木田真人 准教授とともに、炭素(C)と硫黄(S)を含む六員環の化合物「チアン(C5H10S)」が、水分子を二種類の異なるクラスレートハイドレート(以下「ハイドレート」という)結晶(構造II型と構造H型)を組み上げる現象を発見しました。
従来、ハイドレート結晶は包接される分子の大きさに応じて(その相互作用の違いによって)大きさや形状が決定されると考えられていました。今回、取り込む分子が同一でも複数のハイドレート結晶が誘起されることを世界で初めて明らかにし、ハイドレートの構造が、従来考えられていたよりも大きな自由度を持つことを示しました。
この成果は、ハイドレート結晶構造の理解を深めるだけでなく、水分子という環境にやさしい素材を活用したCO2の貯蔵や分離などの機能をもつエネルギー?環境材料の設計へと応用する可能性を拓くものです。
なお、この研究成果の詳細は、2025年10月17日に「Small Structures」に掲載されました。
[論文情報]
- ?雑誌名:Small Structures
- ?論文タイトル:Structural Flexibility of Water frameworks: A Single Large Guest-inducing Structure-H and Structure-II Hydrate Structures
- ?著者:Yusuke Jin, Hiroshi Fujihisa, Masato Kida, Satoshi Takeya, Jiro Nagao
- ?DOI:https://doi.org/10.1002/sstr.202500470
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