内山直子特任講師がラテン?アメリカ政経学会研究奨励賞を受賞

2018.12.06

2018年12月2日(日)に神田外語大学で開催された第55回ラテン?アメリカ政経学会全国大会において、内山直子特任講師(世界言語社会教育センター)がラテン?アメリカ政経学会2018年研究奨励賞を受賞しました。

この賞は、ラテン?アメリカ政経学会が創立50周年を記念して2014年度に、日本におけるラテン?アメリカとカリブ地域並びにこれらの地域をルーツとする人びとに関する社会科学分野の研究の活性化と発展のため、そして、とくに若手研究者の研究を奨励することを目的として設置されました。毎年、50歳未満の会員が刊行した著書?論文の中から、会員の推薦を受けて選考委員会で特に優れていると評価された研究業績に対して授与されます。

授賞対象業績および選考理由は以下のとおりです。

授賞対象業績:
Household Vulnerability and Conditional Cash Transfers: Consumption Smoothing Effects of PROGRESA-Oportunidades in Rural Mexico, 2003?2007. Kobe University Social Science Research Series, Singapore: Springer, 2017.

選考理由:
本書は、メキシコ農村地域の貧困家計の脆弱性および、PROGRESA-Oportunidadesという条件付き現金給付政策の効果を、2003年から2007年までの家計パネルデータを用いて実証的に分析した研究成果である。この時期は、リーマンショック以前の比較的安定したマクロ経済的状況であった。本書はミクロ的な政策介入が脆弱性に焦点を当てたときにどのような効果があったかを明らかにすることに貢献している。
(中略)
以上の通り、本書はメキシコ貧困家計とその脆弱性について分析した優れた研究成果であり、今後貧困研究一般やメキシコ経済研究における先行文献として、国内外で広く参照されるであろう。CCTが貧困家計の脆弱性緩和に一定の効果を持ったことを確認しつつ、食料価格の上昇という外部ショックの影響を完全に相殺するには至らなかったとする結論には、綿密な計量分析に裏付けられた高い説得力が感じられ、それを踏まえた政策提言も傾聴に値する。
(以下省略)

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